2019年5月17日 発表
文化審議会が長野県松本市の旧開智学校の国宝指定を文科相に答申
文化庁は5月17日行なわれた文化審議会において、建造物、1件の国宝、8件の重要文化財に指定することを文部科学大臣に答申したことを発表した。
新たに国宝となるのは、長野県松本市の「旧開智学校校舎」
1876年(明治9年)建設
漆喰塗(しっくいぬ)りの外壁を持つ2階建て、屋根上に八角形の塔を載せたデザインで、洋風を基調としつつ、和風の伝統意匠を織り交ぜた「擬洋風(ぎようふう)建築」の特質を濃厚に表す。内部には級別の教室や広い講堂を備え、学校建築として先駆的な計画性を示しており、近代学校建築として初の国宝指定となる。
漆喰塗(しっくいぬ)りの外壁を持つ2階建て、屋根上に八角形の塔を載せたデザインで、洋風を基調としつつ、和風の伝統意匠を織り交ぜた「擬洋風(ぎようふう)建築」の特質を濃厚に表す。内部には級別の教室や広い講堂を備え、学校建築として先駆的な計画性を示しており、近代学校建築として初の国宝指定となる。
@ 擬洋風の意匠をまとう先駆的な近代学校建築 (近代/学校)
旧開智学校校舎
1棟
所在地:長野県松本市
所在地:長野県松本市
旧開智学校校舎は,明治9年に地元の大工立石清重により建設された学校建築である。
立石は建設に先立って東京や横浜に赴き,当時最新の洋風建築の情報を収集した。木造2階建で,正面中央に二層の車寄をつけ,その上方に八角形の塔屋を載せる。車寄は正面に龍の彫刻,上部の露台に瑞雲の彫刻を飾り,その上の唐破風屋根に天使の彫刻を付した額を掲げる。外壁は漆喰塗ぬりで,腰石積と隅石積を鼠漆喰いで擬似的に表現し,縦長窓を等間隔に並べるなど,洋風を基調としながら我が国の伝統意匠を織り交ぜる。内部は中廊下で動線を確保し,級別授業に対応した教室や広い講堂,教員控所などを整然と配置する。
旧開智学校校舎は,明治初期に地元の大工が最新の洋風建築を模範とし,伝統技術を駆
使して建設した学校建築である。和洋の要素を用いて独創性豊かで優れた意匠の校舎に再構築するとともに,全国で盛行した擬洋風校舎の中でも先駆的な計画性と高い完成度を備えている。近代化を推進した開化期の洋風建築受容を示し,近代教育の黎明を象徴する最
初期の擬洋風学校建築として,深い文化史的意義を有している。
今後、正式に官報公告がなされ、建造物の国宝・重要文化財は2503件、5083棟(国宝227件、290棟含む)になる。
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